最近実はまた病院通いをしています。
Vasant Kunjに1~2年前にできたFortis という近代的な総合病院です。
今年度から子供の通う学校の指定病院にもなっています。
本当はこの冬、風邪の為インフルエンザの集団接種を受け損ねた時に個人的にここに連れて行ったのですが、たまたま小児科の先生が自宅診療の時間帯だった為、すぐ近くの先生のクリニックで受けて来ました。私もついでに受けて来ましたが、このときのワクチンは「おフランス製」でした。
インドのドクターは日本と違って、総合病院での診察時間外に自宅などで開業している方が多いようです。

ここは間違えてホテルに来ちゃったのか?と思うほど、派手目な制服、制帽のドアマンがいます。
と言っても、エントランス前の階段下にいるので、実際に開けてくれるのは車のドア?なんでしょうか。

今回どうして私がここに来ているかと言うと、実は近所の野良犬の仔犬に噛まれたからなのです・・・。
インドは狂犬病の発生数の非常に多い国、しかも野良犬多し。
野良犬が多いから発生件数が多いのかも知れませんね。
野良犬は勿論のこと、飼い犬であっても狂犬病の予防接種をきちんと受けているとは限らない、という恐ろしい所です。
しかも、犬のみならず、すべての哺乳動物は感染の可能性があるとか・・・。
日本に住んでいる方は一体どんな恐ろしい所!?と思われるでしょうね。
そんな訳で、来印前にちゃんと日本で予防接種をして来たのですが、狂犬病に限ってはいくら予防接種をしていても、動物に噛まれたら改めて「暴露後接種」というプログラムにのっとった接種が数回必要なんだそうです。
しかも、一たび発症すれば、たいてい死に至るという恐ろしさ。 (世界で数例、感染後に回復した事例があるそうです。)
私自身、これまで細心の注意を払い、野良犬やリス、猿(たまに歩いている)には近づかず、家のオーナーが庭で飼っていたおばあちゃん犬にいくらしっぽを振られても、決して手を触れなかったのに、です。
つい先日までわらわらと近寄ってくるような、来ないような仔犬たちだったので、油断してしまったのですね。 この日はまとわりついてきた仔犬に脚をカプっとやられてしまいました・・・・。
ああ、もうホントに馬鹿馬鹿、ワタシ・・・。
幸いジーンズの上からだったので(だから余計に油断したとも言えますが・・・)傷になったり、出血したりすることはありませんでした。
ただ、ちょっと痛みがあったんですよね。仔犬と言っても侮れません。
ドライバー(自分でも犬を飼っていて、かなりの事情通?)に聞いてみると、出血がなく、生後6か月以内の仔犬なので No problem 、大体感染するのは夏、とのこと。
いえ、でもこれって、「地面に食べ物を落としても5秒以内に拾えば食べられる」などのような根拠のない俗説と同じようなものでは・・・?と思い、病院に電話。
やはり、注射は必要、とのこと。
出血がなくても、目に見えなくても、傷になっていることだってありますよね。
狂犬病は感染した犬に舐められたところに傷があっただけでも感染してしまう程なのだ資料にあります。
病院でドクターに再度お話を伺うと、やはり、予防接種を受けていないであろう野良犬ということ、目に見えなくても傷になっていることはある、ということで、100%安全とは言えないとのことでした。
噛まれた日を0日として1回目の接種(このときは破傷風の予防接種も)、その後、3日目、7日目と受け、10日たって万一噛んだ犬が死亡した場合には、その犬が狂犬病に感染していたことになる為、14日、28日と計5回の接種というプログラムです。
「野良犬だと追跡調査はできないでしょう?」と聞かれたので、「できると思います」と答えると、「どうやって?」と。
ちゃんと突っ込んだ質問をしてくる所はNo problemの国であっても、医療関係者は日本などと共通の感覚です。
「近所の犬なので」と答えると、「それじゃあ、10日後にその犬がどうなったか報告して下さい。それによってその後のプログラムを決めましょう。」ということに。
でも、問題が・・・。
その仔犬たち、最初に見た時は6匹いたのに、私が噛まれた日は4匹、そして、その翌日には2匹になっているのです。
死んでしまったのではなく、通りがかりの人がかわいいからと連れて行ってしまうのだとか・・・。
私を噛んだと思われる仔犬は今のところ残っているのですが、やっぱり念のためフルに注射を受けることにします・・・。
そしてかかりつけの獣医さん(ウチの犬のです)にも聞いたところ、免疫があるのは生後3か月まで、したがって、生後4か月を超えるワクチン未接種の犬に噛まれたら、「暴露後接種」が必要なんだそうです。

エントランス右手には薬局。
ドクターの診察後、ここでワクチンを自分で購入して処置室に戻り、接種してもらいます。

左側にはカフェ。

今回のワクチンも「おフランス製」。 345ルピー也(約1035円)。
5回打っても私たちには大した金額ではないですが(命がかかっていれば尚更)、このワクチンの値段の為に、たとえ命がかかっていても5回全部を受けられずに途中で止めてしまう人もいるようです。
その現状を踏まえてぜひともインド政府には野良犬対策を講じてほしいものです。

中身は薬剤2種と使い捨て注射器。
って、こんな仔細にレポートしている場合?ワタシ・・・。

噛んだ仔犬たち。

この中の黒っぽいのにカプッと噛まれました・・・。
油断大敵・・・。

仔犬たちのお母さんも勿論野良犬。
庭にいたおばあちゃん犬の亡き後、我が家の門の前でくつろいでいることもあります。
犬達に罪はないのですが・・・。